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赤い靴 (1948年) 絢爛たる色彩美に彩られた哀しい愛の物語

 アンデルセン童話に材を取ったバレエ映画の名作。新人バレリーナのビクトリア(モイラ・シアラー)が、バレエ至上主義のワンマン製作者レルモントフ(アントン・ウォルブルック)に見出され、新作「赤い靴」のプリマ・ドンナとして成功を収める。だが、この作品で一緒にデビューした新進作曲家との愛を選んだ結果、悲劇的な結末を迎えるー (映画大全集より)


『死ぬまでに観たい映画1001本』に同年選ばれているのが『自転車泥棒』『ロープ』であることを考慮すると、その斬新さに唸ってしまう。
色彩の鮮やかさ、華やかさもさることながら、バレエ「赤い靴」の暗示的な悲劇が伏線となって、ラストでダークな実を結ぶ脚本が見事。たいていの古典では得難いような充足感がある。
冷酷なレルモントフさえ密かに魅了されるほど、ビクトリアは気丈で美しい。そしてなによりも、童話の世界を映画向けにキッチュにファンタジックに演出し直した劇中劇「赤い靴」がすばらしかった。

赤い靴 (1948年) 絢爛たる色彩美に彩られた哀しい愛の物語_d0346108_9553582.jpg

by haru-haru-73 | 2017-03-03 10:55 | イギリス映画 | Comments(0)