2017年 03月 03日
赤い靴 (1948年) 絢爛たる色彩美に彩られた哀しい愛の物語
『死ぬまでに観たい映画1001本』に同年選ばれているのが『自転車泥棒』『ロープ』であることを考慮すると、その斬新さに唸ってしまう。
色彩の鮮やかさ、華やかさもさることながら、バレエ「赤い靴」の暗示的な悲劇が伏線となって、ラストでダークな実を結ぶ脚本が見事。たいていの古典では得難いような充足感がある。
冷酷なレルモントフさえ密かに魅了されるほど、ビクトリアは気丈で美しい。そしてなによりも、童話の世界を映画向けにキッチュにファンタジックに演出し直した劇中劇「赤い靴」がすばらしかった。
by haru-haru-73
| 2017-03-03 10:55
| イギリス映画
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