人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ふみくらの奥をのぞけば 文学館・珠玉の300選展

ふみくらの奥をのぞけば 文学館・珠玉の300選展_d0346108_19464442.jpg
 北海道文学館創立50周年記念特別展に出かける。
 文学館の”ふみくら(文庫・収蔵庫)”に保存されてきた30万点を超える収蔵品のなかから、自筆原稿や色紙、貴重本など300点を選りすぐり、北の大地の文学の魅力を届ける展覧会。

会場を幾つもの小部屋に仕切って、作家ごとテーマごとの貴重な品々が所狭しと並ぶ。
よっぽどでない限り《複製》はなく、どのブースも見応えじゅうぶん。
森田たまコーナーにあった古びた人形とか櫛とかのキッチュな愛蔵品がいい。先日、文学館職員の方がアルバイト先の古書店から買い付けていかれた森田たま自筆原稿が今回並ぶかもしれないというのでたのしみにしていたのだけれど、見当たらなかった。
これだけの品々が秩序を保って盛り沢山に展示してあるのをみると、スペースの確保がむずかしかったのかも。

本好きとしては稀覯本を間近にみられるのがうれしい。それとおなじくらい作家たちの肉筆が興味をそそる。敬愛する作家さんの筆跡はなぜか好ましいし、ああやっぱりなとおもうこともある。近年『海炭市叙景』で再評価された佐藤泰志さんの字などは映画の題字にそのまま使われるほどすごいインパクト。四角い文字がマス目いっぱいにぎっしり詰まった原稿をみていると、のちに自死を選ぶことになる性分まで見え隠れするようで興味深い。
個人的には佐々木丸美さんが紹介されていないのがちょっと残念だった。
by haru-haru-73 | 2017-05-07 20:50 | 鑑賞 | Comments(0)