ジェイコブス・ラダー (1990年) ヤコブの階段を登った男

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 映画の記録をサボっているうちに、一言でも書き留めておきたい作品が溜まっていきます。ずっと前から気になっていた本編は、ベトナム戦争ものでありながらホラーという異色作。かなりおもしろい。

(あらすじ) 闘争本能を強化させる幻覚剤ラダー。ベトナム戦争で実験の犠牲になった帰還傷病兵がNYで体験する悪夢を描く。 (映画大全集より)

郵便局員のジェイコブ(ティム・ロビンス)は、最近夢と現実の区別がつかなくなるほど奇妙な出来事に遭遇している。同棲中の恋人にも信じてもらえず、理解者は帰還前からずっと通い続けている整体技師(ダニー・アイエロ)だけだ。そんなある日、同じ部隊にいた仲間たちも同じ現象に悩まされていることを知るのだった....

ベトナムの凄惨な場面で幕を開ける本編。ティム・ロビンスの間の抜けたようでいて知的さを隠せない妙な佇まいが、奇妙な戦争ものをよりおもしろくしている。
ベトナムで、あの時なにがあったのか。次第に幻覚剤”ラダー”の存在が明らかになりはじめるころ、悪夢はエスカレートしていき、ついには恋人さえ悪夢の一端であったことを知るのだ。

フラッシュバックして描かれるのは、ジェイコブの二度とは戻らない、かつて幸福だったころの記憶。ずいぶん前に交通事故で亡くなった愛息子(マコーレー・カルキン)の天使のような無邪気な笑顔。現実に戻ると、自然に涙が流れている。息子の死が、どうか夢であってほしいと願う彼が、精神病院のグロテスクで血みどろの廊下の奥の奥で、ベッドに縛り付けられてみた夢は、紛れもない、ベトナムで事切れる前にみた本物の悪夢なのだった。
監督はイギリスのエイドリアン・ライン。こんな作品も撮っていたとは驚かされる。
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by haru-haru-73 | 2018-06-29 10:01 | アメリカ映画 | Comments(0)

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