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ぼくの名前はズッキーニ (2016年) ひとりぼっちじゃなかった

ぼくの名前はズッキーニ (2016年) ひとりぼっちじゃなかった_d0346108_20372539.jpg 目の周り真っ青でどうみても陰キャのズッキーニ君は、だけど耳と心は朱くて優しい子。
9歳にして天涯孤独の身となり孤児院で生活することになった彼が、ワケありの子どもたちと成長していく姿を描く。
監督は本作が長編デビューとなるスイスのアニメーション作家、クロード・バラス。ストップモーション・アニメ、しかもクレイアニメはほんとうに好き。

酒浸りの母と二人暮らしのズッキーニ君は、故意ではない事故で母を死なせてしまう。事故を担当した警察官のレイモンに連れられ、孤児院“フォンテーヌ園”の門を叩いた彼は、そこで様々な事情を抱えた子どもたちと知り合い次第に心を開いていく。
ある日、大人びた女の子・カミーユが仲間に加わり、叔母に虐待されている彼女を救うため、孤児院の面々は力を合わせていくのだった―。

孤独なズッキーニ少年を見守るレイモンの優しさ。ひとは虐待を受けても、誰かを愛し愛されていれば幸せなんだって根源的なことを教えてくれる。一人息子と疎遠だったレイモンが、ズッキーニ少年を我が子のように愛し、少年は自分の不幸な身の上に拘泥などせず、カミーユを助けたいと心から願う。思いやることができた彼らは、きっと幸せになれる。
滑稽で愛らしくてダークなんだけどピュアで稀有な作品。いとおしくて、いじらしい。大人の鑑賞に余裕で耐える小品だった。

(スイス=フランス合作/66min)




by haru-haru-73 | 2018-12-19 21:50 | スイス映画 | Comments(0)