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東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展

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 年に3日しか公開されることのない、全68面からなる唐招提寺御影堂障壁画がお寺の修理に合わせて北海道初上陸しています。
東山画伯の展覧会を観に行ったのは、かれこれ7年も前の話。(!)信じられない、ついこの間という気がするほど記憶に鮮明なのに。

照明を落とした薄暗い展示室の静謐に障壁画が浮かび上がるように見事。画伯の描く森がすきで、白雲のイメージにたまらなく惹かれる。山に登るようになってから、深い緑に掛かる幻想的な白雲の美しさに幾度も魅了されているせい。まるで山の匂いまで感じられそうな清浄な心持になります。

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デッサンから下書きへ、ディテールがいかに抽象化され作品になるかまでを、三段階で見ることができるのがうれしい。精密に計算し尽くされた構図、水墨画と彩色を使い分けた経緯など、制作の裏側が垣間見える創作の手記が添えられていて、その誠実で立派な文章さえ好もしい。
緑青と群青を使えば誰にでも出せる”青”なのか、そうでないのか、東山魁夷画伯のそれがすき。そしてやはり白雲描写に、なによりしびれる。



by haru-haru-73 | 2019-06-25 08:24 | 鑑賞 | Comments(0)